馬券師たち

新橋遊吉
桃園書房
1973年7版 (定価400円)
状態:C(カバー汚れ・シミ・ヤケ)

『実況アナウンサーの声が大スタンドに熱気を帯びて響きわたり、観衆は自分の狙った馬の名前を口々にして声援を送る。そしてひとつのレースが興奮と狂気を伴って過ぎ去ると、スタンドは緊張から弛緩へと移り、多くのファンはパドックへ、更に穴場へと移動した。
 そんな中で布引俊覚は腕組みをしながら、にやりと笑った―この客の吐き出す金は、全部俺のものだ―不適にもこう豪語する俊覚は、在阪のノミ屋全てをその傘下に収める野心を持っていた。右の頬にある切り傷で、俊覚の笑いには凄味が漂う。僧侶というにはあまりにも猛々しい顔をしていたのだった……』
販売価格 1,000円(税込)
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