競馬狂い

新橋遊吉
青樹社
1973.2.15 (定価350円)
状態:B(少しシミ)

『「元金の二、三倍は簡単だ、高い配当を狙うから失敗する」と駒井稔はいつも思う。だが、競馬場の熱気はそんな甘い考えを吹っ飛ばす。それに本命ばかりじゃ面白みがない。
彼の勤めている角泉メリヤスは小企業。大学出は彼一人だが、土曜になると出勤せずに競馬場へ向かう。一五〇〇円の日給でしばられるよりも、スリルと興奮を大切にしたかった。社長の泉野も彼の有能さを知ってか、嫌味を言うだけ。だが、妻の雅美はいい顔をしない。給料の三分の二をつぎこむのだから当然だ。少しでもグチを言えば気を失うまでビンタを飛ばし、駒井の眼は異常に光る。サディストの傾向があるのだろうか?
かたぶつの泉野と経理の園山洋子との獣のような交わりを目撃した駒井。彼はゆすってやろうと機を伺う。ケチで強欲な社長に腹いせをしてろうというのだ!欲と感が織り成す人間模様の醜さ……』
販売価格 1,200円(税込)
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